8つ居場所 / 1つの家



[ インテリアデザイン ]

(基本設計・実施設計・現場監理を担当)



イラスト制作のときからのテーマである「バラバラ」と「全体」の関係をインテリアデザインでも取り組んでいる。



「1枚の絵画が空間のすべてを決めている」バーネット・ニューマンの作品『アンナの光』を見てそう感じたことがある。そんな空間を目指した。

新しいブランドコンセプトを表現したコンセプトショップである。今回は、自宅以外にも“家”が感じられるようなインテリアが求められた。



私たちは、そのまま“家”のインテリアを再現するのではなく、抽象化された“家”を表現しようと考えた。“家”の中の、書斎・応接室・ダイニング…など、8つの場所を抽象化した“絵画”とも“建築部位”とも見えない、サーフェイスを空間の中に浮かべた。



サーフェイスは、タイル・練付合板・ビニルクロス・左官壁など、その場所を表す素材で作りつつ、すべて10mm厚で揃え、床・壁・天井から一定の距離を取っている。そうすることで、サーフェイスの存在が空間内でより際立ちつつ、サーフェイス同士の関係性も制御している。



ここでは、「バラバラ」な模様を持ったサーフェイスが、“納まり”のルールや表現の“解像度”を揃えることで、全体性が感じられるよう意図している。



小さい店舗であるが、サ―フェイスが生み出す、表情の異なる場所を感じてもらえるような店舗を目指した。



用途:飲食店

撮影:楠瀬友将