原発事故避難12市町村の復興を考える基盤としての環境・歴史地図集
[ 地図集イラストレーション制作 ]
□ はじめに
福島アトラス03は、福島の自然環境や歴史文化と、3.11以前、そこに存在していた生活との関係を地図化することを試みました。
□ 福島の「環境世界」
かつての生活や、自然環境や歴史文化がどんなのものであったか?旅人やよそ者の視線では到底知ることのできない、当事者にしかわからないものかもしれません。
3.10の福島の姿を地図化するにあたり、「環境世界」という言葉に注意しました。「環境世界」は、環境や景観を議論する際「誰の…」「誰にとっての…」という「主体」を重視する考え方で、主体の数だけ…異なる環境の姿があると捉えます。
「地域にお住いの皆さん」や「この地に歴史的に住まわれてきた方々」の目線に少しでも近づくことを意識しつつ、これまでに築かれてきた関係の蓄積を整理しよう。
アトラス03はこうした複雑に重なった「3.10の環境世界」の表現を目指しました。
□ 本地図の構成と読み方
福島アトラスは1枚の地図〈マップ〉ですが、裏表にはいくつかの地図がまとめられ、地図集〈アトラス〉でもあります。オモテ面には、日常の「場」に現れた〈住まい方のかたち〉を、地域の自然環境と歴史文化の変遷から読み解く読解編です。
「裏面」には南相馬市小高区を一望する鳥瞰図が描かれています。周囲には、小高の6つの集落について、より細かい詳細な解説と図解を載せています。
□ ウラ面〈鳥瞰図編〉
全面に南相馬市小高地区を南東の上空から北西方向を望んだ鳥瞰図を描いています。小高の大字名や地形の起伏、主な河川、農地の広がりや、主要な道路・鉄道を地図を読む手がかりにしてください。
また6つの集落のより詳細な解説図を、周囲に配置しました。6つの集落にはそれぞれテーマカラーを割り当てています。
企画:NPO法人 福島住まい・まちづくりネットワーク
監修:青井哲人(明治大学理工学部)
本号統括:篠沢健太(工学院大学建築学部)
編集:川尻大介
デザイン:中野豪雄・西垣由紀子・保田卓也
(中野デザイン事務所)
協力:株式会社はりゅうウッドスタジオ
日本大学工学部浦部智義研究室
イラスト:野口理沙子・一瀬健人
(イスナデザイン)
* ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2018 出展
「東京発 建築民族誌ー暮らしのためのガイドブックとプロジェクト」
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